ようやくですが、コロナのReivewがPublishされました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/advpub/0/advpub_CJ-20-0302/_article/-char/en

今回の論文もですが、内容そのものだけではなく、物語があるわけです。

少しサイドストーリーから感じたことをつれづれなるままに。

 

正直早かったと思うんです。初動は。

この3月でのCOVID-19に関しての論文数の推移は激しかったですね。

循環器関連の話は3月4日?に最初Reviewしたときには中国のデータしかなかった。

本当になかったんです。しかし、色々な調整を実施している間にJACCがでて、Circulationがでて。。。。

 

 

かなりダイナミックな経験をしたので、今回の経験はまた今後生かしてゆく必要があると思います。いくつかの重要な課題を生み出しました。

 

  1. まず、何者かわからない疾患・病状に対する自分たちの立ち位置
  2. どのように情報共有してゆくのか(方法論)

 

まず、何ものかわからない疾患・病状に対する自分たちの立ち位置

 

まずこれですね。もう哲学です。

 

今回のコロナに関しては地域の差が激しかったです

武漢における局所的なものだろうと思ってたところに

次は日本でのダイアモンドプリンセス号・北海道

イタリアの医療崩壊、そこからのアメリカ

でもう一回日本

 

局所的に勃発するけど、いまだに日本でもピンときていないところもあるのではないかもしれません

(流石にないかもですが)。

それぐらい地域の差が激しいと思います。利用可能性バイアスというか当然ですよね。

 

アメリカでもそうです。アメリカは日本に比較して各州や学会での指示に従うところが多いのですが、

それにおいても各病院での物資の違いとか地域差が激しい訳です。下のインタビューからも分かるかと思います。NYかそれ以外か。

そして、自分たちは常に備えよといわれるから、一番最悪に焦点を置く形になりますが、

それだとさらにピンとこなくなるわけですよね。

 

インタビュー

M3記事(会員のみ)

 

さて、このような情報がない状況で自分が何ができるかを強く問われたものだと思います。

多くの人は「関係ない」と最初考えていたのではないのは間違いないでしょう。

 

SNSにいる良識ある医師たちは、自分たちが臨床的に持ちえる知識を総動員して、

現場が困らないような情報を発信されている人が多く見えました。

非常にありがたかったと思います。ただ、ほとんどが専門領域外の領域のコメントとなるのが

現時点での医療者のTwitter業界の厳しいところだと感じました。

(もちろん医師としての専門領域ではあります)

そしてその情報の主体たる人達が時期によって本来は変化してゆく委譲が行われればいいのですが、

それが今回(も?)移り変わらなかったように思いますし、今も移り変われないのは日本の特徴なのでしょう。

(怪しい人は時を変え、人を変え出てきていますが)

 

循環器では今でもまだコロナ自体にピンと来ていない先生もいらっしゃると思います。

大体感染症ですから、循環器関係ないです。論文にも記載していますが、

多分今も色々な循環器との関連は提示することは可能ですが、基本感染症・呼吸器・集中治療の対応する領域の疾患です。

そのような疾患にどう対応してゆくべきなのか?

時期依存性なんです。そのタイミングを上手く認識できるかどうか。最初は少なくとも循環器にはピンとこないタイミングだったのです

(今でこそDVTの話とかになってきているかと思います)

じゃぁ何もしないことがベストなのか。これを問われて動いた人、動かなかった人に分かれたのが明瞭でみんなで振り返ると興味深いように思います。

何か動こうと思いはしたけど、行動に移さなかった人はたくさんいたと思います。(医者としては何か貢献したいということはみんな思っていたはずです)

なんか、起業とか一歩踏み出すときは同じような気がします。(リスクあるしとか、根拠ないのに何を伝える事があるかとか)

 

このタイミングでのReviewは非常に興味深いものでした。正直情報がないのにReviewする意義、

そしてプレプリントを我々の考察に入れるべきなのか?こういう手探り感

根拠ゼロでの戦いですから、どういう情報が必要だったのかということは今回大分分かったような気がします。

それも時期によって変わるのだと。

 

情報の非対称性は永遠に解消されないし、する必要あるのかということを再度突き詰められてる気がするなぁと思ってます。

ただ、昔に比べて多くの領域において、対称性が増しているのは間違いないですね。

まぁこういう悩みを持ちながら生きてくぐらいしか残り少ない人生ないのだろうと思ってます。

 

あぁ哲学的でめんどくさい。

君たちはどう生きるかでもマンガで読み直すか。

 

どのように情報共有してゆくのか(方法論)

 

これも、今後の課題かなと思ったんですが、科学的知見を日本として国内にも届けながら、世界に発信するプラットフォームがないんですよね。

(当然、言語が日本のみでしか使えないものであるということが大きく影響しているのかと思いますが)

もちろんTwitterとかSNSからのマスメディアというのが一つなんですが、アカデミアとして発信できる基地のようなものが結構厳しい。

(だからBBCなり、CNNとかに突撃となるんでしょうけど、、、)

医療者向けはたくさんあるけど、アカデミックではなく、海外には届かない。

難しいけどなんとまぁ、もっともな住み分けなのか。

 

このバランスのよりどころは、Journal、Websiteにあるのかは分かりませんが、

AHAにしてもESCにしても本当にこのあたりの振り切れてからの動きは異常に早い。驚愕でした。

2月の我々の感触からは症例報告を推進するという話題がありました。ただ、プラットフォームがない。これは結構痛いものでした。

いやぁ、真剣に考える必要があるけど難しい。どのように推奨するか、いやぁ、難しい。

 

自由度の高く発信力を高めた個人としての力も必要ですが、それだけではダメだということは今回如実にわかったと思いますし、多分ここからのPCRの議論とかで皆さんも痛感することだと思います。

おそらく、オンラインミーティングが一気に普及した今、大量に小さいグループが形成される。そこではパワーがない。大きくなるとパワーがでてくる、そうすると一つとしてまとまった動きをするには速度感がない。これは両輪でこのバランスを上手く調整される方こそ古き時代から素晴らしい仕事を成し遂げているのだと思います。

 

なんかうだうだしゃべってますが、個人のプラットフォームとしての能力は本当に貧弱だし、医局にも属していない自分は持っているものはほとんどないという無力感を今回のコロナは与えてくれましたね。まぁ地道に頑張りますか。

 

もちろんよかった点もあって、

今回m3さんが取り上げてくれたり、柴田先生の翻訳サイトに協力させていただけたのは最初の初動としては最高のアクションだったと思います。

本当に感謝しております。タイミングもあの時期に必要だったと思う次第です。

そして何より、なんかどさくさに紛れてチームが形成されてこれが素晴らしいチームワークな訳ですよ。感謝ですし、一生の思い出です。

 

これから収束してくれることを期待していますが、そうなるとさて次の展開を考えておかないといけないですよね。

そろそろ、皆さんも肌感覚的にも、コロナ情報のアップデートの頻度は力の入れ具合を適宜調整してゆきはじめるころだと思います

完璧主義はきついので少し個人的には少し緩めた形で、理論的に持続可能性に焦点を置いてもらえたらとは思いますが、これは

自分の決定範囲ではないのでまぁ見守ってます

さて、外部環境が変わるのはいつなのか。グレゴリウス暦に強く影響されるでしょうし、いくつかの観点でみてゆきたいですね

とりあえず今日つれづれなるままに書くことが重要かと思いましたので書いてます。駄文修正なくスイマセン。ご容赦を。