医療における行動経済学
「行動経済学」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?
Richard H. Thaler 先生が2017年にノーベル経済学賞(スウェーデン国立銀行賞)を受賞しましたので、少し耳にされたことがある方々もいらっしゃるかもしれません。本研究室では、「医療」において行動経済学がどう有効に働くか?というテーマについて考えてゆきたいと思っています。
そもそも、テーマに入る前から「経済学」=「お金」というイメージもあり、医療の持つ精神に反するのではないか?というコメントも聞こえてきそうですが、そんなことはありません。むしろ、よりよい意思決定をするために必要だと考えています。
例えば、たとえ過去に心筋梗塞を患った患者さんで、将来の心筋梗塞・脳梗塞の予防のために食事指導や生活指導を医療従事者から言われていたとしても、目の前のおいしいものをみると食べてしまう、運動も今日は寒いからやめておこうなどと理由をつけてしないということは本当によくある話です。このような時になぜこのようになってしまうのか?ということを考え、よりよい選択を提供できるようなデザインをすることが重要だと考えるのです。
適切なデザインを研究として評価しながら考えてゆくことで、患者さんだけではなく、医療従事者自身も、より価値・効用の高まる行動をしやすくするようなデザイン設計ができると考えようというのが行動経済学です。
(もちろんもっと色々な定義があります。いくつかの日本語の文献(こちらも)も参考になるかと思います)
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