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すいません。少し意味深な記載の仕方をしましたが、実は単純な話。

今回は”もやもやエコー”のトピックです。

今回の紹介する論文はこちら

Black Defects in Severe Spontaneous Echo Contrast Teach Us the Protective Aspect of Mitral Regurgitation Visually

エコーのimagingの論文です

まぁ長文めんどくさいなという人はプラメドさんの動画もありますので

こちらをどうぞ~~~

”もやもやエコーとは?”

なんだ!このふざけた名前は!とおっしゃられる人もいらっしゃるかもしれませんが、

最近改訂された2020 年改訂版 弁膜症治療のガイドラインでも採用されるような、

循環器内科医の中では適切に使用されている用語です。

その名の通り、エコーでもやもやしている画像となります。

英語では

“spontaneous echo contrast”

画像はググっていただけたらたくさんでてきますが、

上の自分の論文ででも無料で見れます

とりあえず左房の中が通常は黒いのに、白い点々・つぶつぶがたくさん見える状況です。

普段黒いのに白いということで問題になるわけです

もやもやエコーはいつできる?その問題点は?

もやもやエコーの原因はいくつも指摘されていますが、

このBlackらの論文がかなりわかりやすいでしょう。

 Virchow’s triad ウィルヒョウの3徴から説明しています

 Virchowの3徴は大丈夫ですよね?

血栓止血学会のHPのVTEの項目でも説明がありますが、

  1. 血流のうっ滞
  2. 過凝固状態
  3. 血管内皮細胞障害

の3つです。

もやもやエコーはこの上の2つ

うっ滞と血栓傾向が関わっているのではないか?と議論されています

赤血球凝集

  • plasma viscosity
  • ESR
  • thrombin- antithrombin III complex (TAT)
  • fibrinopeptide A
  • prothrombin fragment 1 and 2 

などが関連しているという話を根拠に挙げています。個人的にもこういうものは勉強になりました。

Hb値などもそもそも関連していると考えられてましたが、2008年のJASEの報告では補正すると消滅していました

このあたりはまだまだ議論があるでしょうし、血管内皮障害に関しても僧帽弁手術などが考慮されることもあるでしょう。(Ito ら

今回のメインはそこではないです。

そのあたりはまた新しい見地を色々文献検索してみてください。

むしろ、このもやもやエコーがあると何がダメなのか?

【血栓が出来やすい】

ということが重要です。

ですので、血栓そのものがみつかってなくても我々循環器内科医は

もやもやをみつけると、おおっと心配するわけです。

他にもVV-ECMOの最中に左室内がもやもやしていると左室に血栓ができたり、大動脈弁の開放などにも再度注意を払ったりする必要があったりもやもやは血栓心配なんです。

ただまずは左房もやもやが重要で、これは脳梗塞の原因の重要なポイントだと思います。

で、このImaging論文で何が言いたいのか?

自分もこれはあまり知らず勉強になったので

多分ほとんどの人もきちんと理解できてないと思いますが、もやもやエコーでなんか黒くうつるのが気になってたんで

カラーをあててみたら、MR:僧帽弁逆流だったわけです(論文参照してみてください)

カラーいれなくてもMRがわかる!

と最初は盛り上がったのですが、重要なことはそれ以上にありました。

MRが多いと”もやもや”が減るかも!

ということです。たしかにVirchowの話からすればFlowがしっかりしてれば”もやもや”しにくいということになります。

これを客観的に考えると、

MRが重症だと”もやもや”しにくい ⇒ 血栓できにくい! ⇒ マジか!

と当時感動したわけです。

確かに左心耳に血栓ができやすいということはみんな知ってますが、

MRが重症だと左心耳まで逆流Flowが行きますので血栓できにくいということはありえます。

一部それをサポートする情報もありますが、まぁこういったメカニズムを考えるのは循環器疾患を考えるのに重要だったという話です

(KranidisとかCresti とか)

まぁ長文めんどくさいなという人はプラメドさんの動画もありますので

こちらをどうぞ~~~

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