さて、前回の続きです。

アドバンス・ケア・プランニング = アドバンスケアプランニング

(Advance care planning:ACP)の定義に関しては前回触れました。

 

さて、では実際にどうやってたらアドバンスケアプランニングなのだ!と

価値観とかの共有は分かる。学術的定義はどうなってるんだ!!

という人には少し次のSystematic reviewから入ってゆきましょう

 

Jimenez らの報告から

 

Overview of Systematic Reviews of Advance Care Planning: Summary of Evidence and Global Lessons

シンガポールのJimenezらのグループの報告です。

この中でのTable 3 Type of interventionが一つの例を示してくれています。

 

大枠として

  • Information/educational interventions
  • Decision aids/communication interventions
  • AD/DNR/DNH, and so on, interventions
  • ACP complex interventions
  • Palliative care interventions

 

つまり、

  1. 情報提供
  2. 教育
  3. 意思決定支援
  4. コミュニケーション改善
  5. アドバンスディレクティブ、DNR(Do not resuscitation)などの相談

 

を含んでいるということです。これらの混合的なアプローチもそうですし、緩和ケアとしての枠組みも含まれるのはいうまでもありません。

こういう項目を含むものをACPとされているということです。

 

Advance directive(アドバンスディレクティブ、事前指示)はACPなのか?

 

ところで皆さん、よくある話題として、

 

【Advance directiveをとる、DNRを決める】

 

ことはACPでしょうか?

 

よくある議論ですが、緩和ケアの先生方は違うということを言われると思います。

先ほどのReviewには含まれました。。。。

 

では、少しこの要素に注目してみましょう。

Jimirezら内容から考えると、

 

情報提供

 

はどうでしょうか?みなさん

 

【情報提供だけしたものをACPと呼ぶか?】

 

おそらく、ほとんどの人が否定するでしょう。どうも違うようです。

では情報提供+教育はACPでしょうか?

うーんなんとなくそういう気もしてきました。

教育って言ってもも広いからなぁという声も聞こえています。

 

どうもこの要素らは正しいのでしょうけど、

多分一番重要なことはこれらの要素の2つ以上の項目です。

 

介入行為の一つのコンセプトとしては

 

【これら行為を含むが、1つの要素ではない】

 

という否定的な考え方から入るのが適切な用な気がします。

(これは深堀先生、宮下先生らの議論から勉強になっているところです。)

まぁこの5つぐらいのコンポーネントは覚えておいて損はないでしょう。

このレビューの先生もACPを規定するのに

【whole-system strategic approach】

としてこれらの個別の項目を別個に扱うのではなく、まとめて扱うという議論をされています。

 

最近はこういう複合的なアプローチが増えてきて、定義は否定から入るというコンセプトが増えてきている気がします。情報飽和の時代の影響かとも思います。

心臓リハビリテーションが良い例です。

(心リハは包括的概念ですが、よく勘違いされており、理学療法だけを指すように思われることが多いです。)

また、個別の結果が全体に一般化できないような物が増えてきているような気がします。

このあたりの時代の流れを理解しながら、次の世代を迎えたいものです。

 

【循環器疾患にも緩和ケア】