今回関連する論文は
”Advance care planning for adults with heart failure”
こちらです。
本当に貴重な勉強をさせていただきました。
もともと深堀先生と西川先生にお誘いいただいて勉強させていただいたのですが、
これから自分のコクランの苦労が始まりますが、それはまた別の機会に、、、
これは自分の循環器疾患における緩和ケアの研究プロジェクトの中でも
一つ重要なトピックでした
目次
アドバンス・ケア・プランニングって?
まず定義を引用しておきます(木澤先生らの資料)
今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセス
です。
まぁそのぐらいは誰でもやってるよという声が聞こえそうですが、ピットフォールがあります。
実は自分も、
アドバンス・ケア・プランニング
を
アドバンス”ド”・ケア・プランニング
と呼んで怒られた?のは遠い昔の話ですが、非常に重要な基本です。
アドバンスド advanced つまり発展的なケアプランニングな訳ではなく、
アドバンス advance = ”事前に” ということです。
そら怒られるわ、、、、ということです。
ただ、循環器内科医の一定数は必ず間違えてます(失笑
以前、循環器における緩和ケアは以前プラメドさんで撮影してくれている動画がありますのでこちらもどうぞ。
少し古くなってきましたが、基本今も変わってないはずです
アドバンス・ケア・プランニングに関しては神戸大学の木澤先生らの資料を見ておくのが一番早いと思います。
あと、こちらはそこまで一般には普及していないかもしれませんが、
神戸大学の木澤先生らのホームページで解説されている分類です
通常の医療者が行っているのは、
- 病気や病状に応じたACP(Disease-specific ACP discussion)
- 死が近づいた時のACP
であると理解できるかと思います。
Sudoreらの定義
SudoreさんらがACPの定義に関しては深く掘り下げてくれています。
Defining Advance Care Planning for Adults: A Consensus Definition from a Multidisciplinary Delphi Panel
Pubmedはこちら(無料です):https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28062339
堅苦しい定義としては
Advance care planning is a process that supports adults at any age or stage of health in understanding and sharing their personal values, life goals, and
preferences regarding future medical care. The goal of advance care planning is to help ensure that people receive medical care that is consistent with their values, goals and preferences during serious and chronic illness.
ポイントは
“future” medical careに対して
- value
- goal
- preference
を【共有】し、治療に【一致させる】こととなってます。
物凄く一見理にかなった定義ですし、これが素晴らしいことは誰にでもわかります。
ただ、
「どうやってやるんだ?」
ということが本当に難しい訳です。そもそも欧米諸国でもなかなか実践できていないというのが実情。
Value, goal, preferenceというなんか”ふわふわ”したものをどうやったら
【共有できた】ことになるのかというところにまだ答えがない気がします。
では、どういうことができたらACPなのか?という実践的な定義に向かうわけです。ああぁ永遠に長い話となりますね。
ひとまず、ACPっていうけど、まず難しいということを理解してもらって、次回続きを記載してゆきたいと思います。
【循環器疾患にも緩和ケア】