今、非常に有難いことに日経メディカルでも連載をさせていただいていますが、

医療×行動経済学の内容です。基本は前にも解説しましたが、Cartwrightの内容に沿ってゆくのは

非常に合理的だと考えて紹介していました。

ただ、徐々に難しくなってくるとよくある講演同様にほとんどを置ていってしまうということで

大分例を入れたりして意訳してみたりしました。

以下、また興味がある方はよろしくお願いいたします!!

第3回はこちら

おそらくそれでも難しいという読者の方々もたくさんいらっしゃると思うので、ヤルヤル詐欺ですが、

もう少しして解説などを足したいとは思っています!(自分なりの文脈で)

 

以下は雑記です。

 

今回の内容は、もともとが激しく難しいです。

行動経済学というものは一般的に普及するのは良いのですが、デフォルト・ナッジ

ということが先行していますが、まぁ実際にはそんな簡単な話はないですよね。

(背景の理論を本気で勉強するにはかなりの時間が必要だと感じて今米国にいるわけですが。。。)

 

今回、取り上げるSearch problemにおいて、Cartwrightが紹介している

Search heuristicsはもともとは以下の5種類です。

中でもこのDirected cognitionっていうものが激しく難しいんですよね。

 

自分はこの表を

Cartwrightでは選択においてはDirected cognitionがもっとも選択について当てはまりがよかったということをGabaixらの論文を用いて解説しています。3 以下はCartwrightの教科書のコメントではなく、個人的なコメントですが、このDirected cognitionはここまで聞いてもはっきりってわからない!という人が多くて当然だと思います。自分が何度読んでも複雑だと感じますし、この用語も適切だとは思いにくい(意味がわかりにくい)です。Harvard&MITそして全米経済研究所 (National Bureau of Economic Research:NBER)のGabaixらが提唱し、いくつか報告していますが、引用されている状況から考えると、Directed cognitionはそのアルゴリズム自体を事前に考えて選択するということよりは、限定合理性をSearchの領域である程度説明しているということに意味を見出されているように感じています。

そして、Directed cognitionの解説を

 

Directed cognitionは理解が難しいが、「次の情報探索が最後だと考えて情報探索する」。というシステムで解説されている。Annaの例でいくと、ナッツの情報は獲得しているとします。その上で「次もう一つ試すか?試す場合にはどれを試せばいいか」ということだけを考えるのです。事前にプランニングする、決定樹・アルゴリズムのような考え方は合理的にはあり得ますが、正直難しいので本当に近視眼的に最後の情報探索のつもりで選ぶということです。

 

と当初の原稿では記載していたのですが、書いた当初(数か月前)は意気揚々だったのですが、

最近校正するときに読んでみたら自分でも全くわからなかったので、

結局、多分誰も(自分も)わからないだろうということで全削除となってます(笑)

 

今回の興味深いポイントとしては、この原稿でとりあつかったSearch problemも勉強になっているのですが、このDirected cognitionというのがピンとこないというところは自分でもあとで読み返して吹き出すレベルでした。

(もちろん解説の仕方自体にも色々問題はあると思うのですが、Directed cognitionの単語の難しさがとてつもないんですよね。経済学者にとっては余裕なのかもですが)

言葉と実際の内容が一致するとわかりやすいし、全くスムーズに入ってくる。英語文化にいないものからしたらDirected cognitionの向かうDirectが全くピンとこないので。言葉と内容が少しずれてると全く持って記憶に残らない。自分のように必死に読んでも残らない(笑)

(アメリカでも難しい可能性はありますが、今度同僚に聞いてみます)

 

これは逆にも危険性がはらんでて、分かりやすい言葉というのは自分がイメージするものにリンクはされやすいし、それは文化的なものがあるのかなとやはり思います。世の中のわかりやすさに対する希望と専門性というもののバランスは永遠の課題だと思いますし、これからもバランス取れるように一歩一歩勉強してゆきたいと思います(笑)

 

この論文たちは面白かったですよ。